アメリカのカジノ企業を悩ます違法オンラインカジノ
日本でも問題になっているオンラインカジノ。アメリカでも大きな問題にあげられています。オンライン違法カジノ利用金額はなんと40兆円超とも言われています。特にラスベガスを筆頭とする合法カジノリゾート運営企業は違法オンラインカジノへの売上流れには頭を悩ませています。
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オンライン違法カジノ利用金額はなんと40兆円超
*「利用金額」とはプレイヤーがゲームに投入(賭けた)金額で売上ではありません。
例えば、オンライン違法カジノのポーカーのチップの購入に使ったお金やスポーツに賭けたお金のことです。
2022年末、アメリカカジノ産業最大の業界団体であるアメリカン・ゲーミング・アソシエーション(AGA)が外部に依頼した調査によると、アメリカ国内の違法カジノ利用金額はなんと40兆円(1ドル100円計算)を超えており、そのうち約34兆円は違法オンラインカジノ(違法ポーカーやスロットゲーム)での利用額、6兆円は違法スポーツベット利用によるもの。この40兆円に加え、合法にライセンスを受けていない違法ゲーム機(例:闇カジノ場にある非ライセンススロットマシンなど)の利用金額を入れると、アメリカの違法賭博の利用金額総合計は
アメリカでの違法賭博利用金額の合計はなんと51兆円を超えていると言われています。

これを売上で計算すると
この51兆円の「利用金額」とは上記にあるように、プレイヤーが投入した(賭けた)金額のことで、そこから違法業者が得た売上を試算【利用金額 - プレイヤーへ支払った金額 = 売上】すると年間約4.4兆円の売上が違法オンラインカジノ、スポーツベット、違法ゲーム機での賭博に流ており、同時期の全米の合法カジノ売上総合計が年間約6兆円ほどだったので、それほどのお金が違法業者に流れているということになります。
★用語★
カジノ業界では合法なカジノの行為はギャンブルとは呼ばず「ゲーミングやカジノゲーミング」と呼んでいます。
違法オンラインカジノにはポーカーやスロットゲームなど「賭け、勝ち金が発生するモバイルゲームも含まれます。
日本と違い、アメリカには合法と違法のサイトが混在
こちらの記事でもご説明していますが、アメリカは国ではなく、州単位で合法と違法が決まっています。
よって場所によって、オンラインカジノの内容やサイトによって合法と違法のサイトが混在します。
合法 ⇒ 州もしくはインディアン特別自治政府が合法化している州や地域で、且つライセンスを受けている事業者が運営
違法 ⇒ 上記以外すべて
オンラインカジノが合法の州や地域以外ではすべて違法。
また、合法州や地域内であってもオンラインカジノ提供側はその管轄当局からライセンスを受けていなければ違法。
アメリカから海外のオンラインカジノサイトに接続して利用しても違法。海外のその国では合法のオンラインカジノもアメリカから利用すると違法です。
★重要★
アメリカでは場所によって合法なものもありますが、日本では2030年オープン予定の大阪のMGMカジノ(仮名)が日本初の合法で日本政府からライセンスを受けて運営を始めるカジノで、それ以外のものは現在はすべて違法です。
例えばラスベガスカジノに代表されるネバダ州では現在カジノ実施設の運営、スポーツベット(オンライン、実施設どちらもOK)、オンラインポーカーゲームのみ運営が合法とされており、運営をしたい企業はネバダ州カジノ管理委員会からライセンスを取得しなければなりません(とても厳しく、伴う費用も高い)。
つまりネバダ州内では合法のスポーツベットも利用者が一歩ネバダ州のから出れば適用外=違法になります。
だからみんな健全に、合法にカジノゲーミングを楽しみに全米、世界からラスベガスを訪れるのです。
違法スポーツベッティング
2018年、アメリカの各州はスポーツベッティングを州それぞれの判断で合法化し、規制することができる権限を取得しました。それ以来、スポーツベッティング市場は急速に成長しており、2025年3月現在では37州で合法的なスポーツベッティングが行われています。
一方、合法と違法の見分け方があやふやなのか、分かっていてか、ライセンスを受けていない違法スポーツベットの横行が問題視されています。
違法スポーツベット利用額は年間6兆円超え
*「利用金額」とはプレイヤーがゲームに投入(賭けた)金額で売上ではありません。
例えば、オンライン違法カジノのポーカーのチップの購入に使ったお金やスポーツに賭けたお金のことです。
2022年アメリカン・ゲーミング・アソシエーションが外部に依頼した調査では成人(21歳以上)4,982人の回答者に対して、過去1年間でオンラインでスポーツベッティングを行ったと回答した人々には、合法および違法の20の主要なオンラインスポーツベッティング提供者のリストから、どのサイトで賭けたのかを質問。下記のような回答がありました。

37州も合法になっているのに違法スポーツベットが横行するのはなぜ?と思われるかもしれませんが、違法スポーツベットサイトには他にはない(もしくは合法サイトでは用意されていない)顧客を引き付ける話題性重視のユニークな賭け内容(例:国歌斉唱の長さや勝ったチームのスポーツドリンクの色などプロップベットを呼ばれるもの)が用意されていたり、スリル満点だが違法の法外にリスクの高い賭け(ハイリスクハイリターン)ができたりと様々な手で利用者を募っています。それに惹かれて、利用をしてしまう人もいるのです。
また、アメリカでは州によってゲーミングに関する法律が違ったり、ライセンスを受けている、いないが不明確であったりと合法と違法サイトが混在する為、利用者は「自分はネバダ州に住んでいるからどのサイトを使っても合法だと思っていた」「利用サイトがライセンスを受けていないサイトだと思っていなかった」といった誤った認識で利用をしてしまうこともあるようです。
違法オンラインカジノ
アメリカではオンラインカジノは2013年ニュージャージー州で初めて合法化されました。もちろん、スポーツベット同様、ニュージャージー州内にいる利用者のみ利用可能で、ニュージャージー州内でライセンスを受けている事業者のみが合法的に提供できるという内容。それ以降、数州が続きましたが2025年現在オンラインカジノを合法化しているのは7州のみ。
こちらもスポーツベット同様、違法のオンラインカジノが横行。特にライセンスを受けていない事業者や海外業者のオンラインカジノの利用が後を絶ちません。日本でも問題になっているように、海外の事業者でその国では合法で、ライセンスを受けていたとしても、アメリカの合法州、アメリカのその州当局からライセンスを受けていないと違法になるのですが、気にせずアメリカのプレイヤーの利用をどんどん募っているのです。
前述のアメリカン・ゲーミング・アソシエーション(AGA)が外部に依頼した2022年末の同じ調査によると、アメリカでは違法オンラインカジノ利用額は約33.79兆円、そこからの推定売上は約1.35兆円で、売上ベースだとこれはアメリカの合法なオンラインカジノ市場の規模のなんと約3倍に相当。
オンラインカジノを合法化しているのはたったの数州にも関わらず、下記のグラフを見てもびっくりの通り、アメリカ回答者の約48%の人が違法サイトでオンラインカジノを利用してしまったことがわかります。

★用語★
カジノ業界ではオンライカジノ、ゲームは interactive gaming インタラクティブゲーミングの略で
「iGaming」と呼ばれます。
アメリカのカジノ企業を悩ます違法オンラインカジノ
オンライン違法カジノ利用金額はなんと40兆円超ともいわれる市場。日本同様、アメリカでも違法オンラインカジノの取締り強化に注目が集まっています。
アメリカでは違法カジノの取締りは法取締りの観点からはもちろんですが、実施設のカジノ、オンラインカジノやスポーツベットを合法化して税収を期待している州にとっては税収に影響が、また厳しいライセンスを取得して、規制を遵守、売上から税金を納め正当に運営しているカジノ企業にとっては頭を悩ませる種。特にオフショアサイトと呼ばれるアメリカ国外からの違法サイト(アメリカ各州にとっては違法サイト)の取締りには州だけでは対応しきれず、連邦政府に介入を要請するまでに至っています。
2025年3月現在、日本からはオンラインカジノ利用は違法とされていますのでくれぐれも手をださないように、ゲーミングを楽しみたい場合は是非、ラスベガスへいらっしゃってください!
【補足】
この記事にある数字はアメリカカジノ産業最大の業界団体であるアメリカン・ゲーミング・アソシエーション(AGA)が外部の調査会社に依頼して作成、公表している報告書から引用しています。
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